花を見よ
色香も共に散り果てて
心無くても 春は来にけり
とは
一休さんが詠んだ歌。
TVアニメにもなった
有名なお坊さん。
新しい年を迎えるたびに
あの世が近づいているのを忘れないように。
どんな人でも、必ずいつか死んでしまう。
ただ浮かれているのではなく
生きているうちに、一つでも多く
いいことをしよう。と
お正月に、しゃれこうべを掲げて
京都の街を歩いたことは
有名な伝説です。
いきなり
一休さんで始まりましたが
たくさんの人を描いていました。
先日から、
レース場の絵を製作しています。
背景に描き込む人を数えたところ、97人。
一人ひとりが
豊かな表情をしています。
太っている人 やせてる人
隣の人と 興奮気味に話す人
身を乗り出して クルマをのぞき込む人
姿勢や服装、
表情を読み取りながら
絵をかいていると
それぞれの方の
いろんな人生を想像してしまいます。
幸せなこと、困ったこと
毎日、いろんな出来事が起こるし
それぞれ 悩みも抱えて生きていて
いろんな夢があって。
人間は、108の煩悩を持つ。と言いますから
キャンバスの上には 97×108= 10476の
煩悩が ウズマイていることになります。
おそらく数十年前の写真。
このレース場に集まった人達は、
残念ながら もう この世にいないのかもしれません。
人生、いろいろ。
そこで、一休さんの話しを思い出したり。
モクモクと想像しながら
絵を描いていました。
古い雑誌で見つけた
モノトーンの写真を、カラーで描いてほしい。とのオーダーです。
手前のMorganが主人公。
背景に埋もれてしまわないよう
少し大きくして メリハリをつけました。
ようやく
全体のスケッチが終りました。
これから "見えない色彩"との
長い戦いになりそうです ♫