横浜の戸塚は、歴史ある街。
その昔 人々が歩いて旅をしていた時代に
旧東海道の宿場町として 慶長9年(1604年)に「戸塚宿」が成立。
東海道起点の日本橋から10里(約42km)なので
朝に江戸を発った旅人の、初めの宿泊地として最適だったそうです。
その戸塚に「赤レンガ倉庫」があると知ったのは
先月のことでした。
良く晴れた過日、バイクで散策に行きました。
不動坂交差点の裏手を走る、旧東海道。
住宅地に突然、赤レンガの建物が現れます。
ここは明治時代に建てられた「鎌倉ハム」の倉庫。
横浜が開港された頃
東海道沿い(現柏尾町)に「白馬亭」と呼ばれる外国人専用のホテルがあったそうです。
その主人ウイリアム・カーティスがハム製造をして、宿で提供。
後に、付近に住む数人の日本人が製造方法を教えてもらい、
ハムは大人気で、飛ぶように売れたそうです。
日本人が初めて製造した”鎌倉ハム”は、一つの企業名ではなく
鎌倉郡と呼ばれていた戸塚で
カーチスが直伝した数名が作ったハムを、総称しているとのこと。
今も、複数の業者が製造しています。
近くにあった、さいとうハム。
ここは今 営業されているのか?
(にわか研究ですので、そこまで調査が及ばず)
調べてみると
1887年に斉藤満平氏により開業された”鎌倉ハム”は
1923年の関東大震災で大きな被害を受け、名古屋に工場を移転したそうです。
(当時、東海地方に美味しい豚が育っていたのが理由)
だから、名古屋に鎌倉ハムがあるんですね。
またひとつ、マメ知識が増えました。
数年前まで、この倉庫の横に
大きな日本家屋があったようですが
今は面影もなく、数件の新しい住宅が並んでいました。
この歴史的な倉庫は、保存されるのでしょうか。
戸塚の赤レンガ。
”文明開化”の日本に、思いを馳せました。