諸君はまたそう云う大きな建物の、
奥の奥の部屋へ行くと、
もう全く外の光りが届かなくなった暗がりの中にある金襖や金屏風が、
幾間を隔てた遠い遠い庭の明りの穂先を捉えて、
ぽうっと夢のように照り返しているのを見たことはないか。
その照り返しは、
夕暮れの地平線のように、
あたりの闇へ実に弱々しい金色の明りを投げているのであるが、
私は黄金と云うものが
あれほど沈痛な美しさを見せる時はないと思う。
ーーーー谷崎 潤一郎 「陰翳礼賛」より抜粋ーーーー
「暗闇に光る金属の
沈痛なまでの美しさ」
一枚の写真を思い出しました。
夢が たくさん並んだ
思い出のガレージ。
感謝を 忘れた日はありません。
こうして「愛車の絵描き」を続けるコトが
今のワタシに出来る 恩返し。と
心に決めているのです。