長野県上田市へ
行ってまいりました。
ずっと行きたかった場所
十字架の形の建造物
戦没画学生慰霊美術館 無言館です。
第二次世界大戦で、志半ばに命を絶たれた
美学校で学んだ画学生
もしくは 独学で美術を学んでいた若者達の作品を
何十年もかけて集めて
展示してあります。
あふれるばかりの若い情熱を
一心にそそいで描かれた絵が
静かに並んでいました。
戦地へ行ってもなお
紙切れを拾ってまで絵を描いていた人。
家族に心配をかけまいと
イラストを添えた絵はがきを400通以上も描き
故郷へ送り続けた人。
ほとんどの方の享年が、20代前半。
戦争のために
命を落とした人達の
絵を描きたい。という無言の叫びが伝わってきて
涙をこらえて
絵を見つめてきました。
どの作品も、心を打ちましたが
一番 印象に残った絵
特攻隊の少年を描いた「飛行兵立像」
古びたキャンバスから
剥がれ落ちた油絵の具。
完成時のモノクロ写真が展示してありました。
原画は
少年が、そこにいるかのような存在感を持つ
すばらしい絵でした。
特攻服に身を包んだ
りりしい表情の少年は
二度と帰る事はなく
作者の大貝氏も
この絵を完成させた2年後に亡くなりました。
キリのない欲にまみれ
ぜいたくな暮らしがあたりまえの
この現代社会を
彼らは 空の上から見下ろして
何を想っているのでしょうか。
茅ヶ崎から250kmの美術館。
やっと行く事ができました。
絵を描くことができる毎日に
改めて、感謝し
日々、精進していきたいと思いました。
そして
信州最古の禅寺、安楽寺へ。
鎌倉時代末期に建立された
国宝の八角三重塔
杮葺きの屋根が美しく
重厚なたたずまいに
圧倒されました。
豊穣を祈って
「泥」を奉った神社
泥宮大神。
初夏の長野は
風に揺れる麦の穂が きれいでした。
無言館で 静かにたたずむ絵に
また、会いに行きたいと思います。