先月、故郷の実家に帰った時、
茶の間の座卓の上に
見慣れない箱がありました。
無造作に入れられた写真は
両親が、若いころのものでした。
50年以上前の写真。
今ではあまり見かけない、名刺くらいの大きさです。
整理したいと思っていたけれど、なかなかできなくて。と言う
母の言葉を聞きながら
モノクロの写真を、手に取ってみました。
そこには、父の青春の思い出がありました。
母と結婚する前、20代の青年の笑顔。
友人たちと楽しそうにポーズを決めたり
ちょっと気取っている姿など
父の若いころの写真を見たのは、初めてで
軽いショックの後に
とても嬉しくなりました。
家では無口だった父。
土日も仕事でいなかったので
家族で旅行に行った記憶もありません。
私は、18歳で家を出てしまったので
大人になってからも、会話は少ないまま。
俗にいう「父の教え」という人生の話なども
残念ながら、聞いたことがありませんでした。
子供のころから
なんとなく”謎”の存在だった父は
謎を残したまま、亡くなってしまい
今年は、二回目のお盆です。
映画のワンシーンのような風景。
二度と会えなくなってから
こんな笑顔を見せるなんて。
恋しくなるじゃないか。と
独りごちるお盆です。
ところで、こちらの写真。
実家の裏の海で撮影された
遠い昔の、父と兄なのですが
後ろに映る
大きな岩の形を見て
私が、江の島を好きな理由が
やっとわかりました。
大きさは違えど、江の島にそっくりです。笑
私も幼いころ、肩ぐるましてもらったり
つないだ手の大きさを 思い出しました。